Tweetcastのメリットとデメリットを考えてみた。

まずはTweetcastでどんな事が出来るのかを考えてみる。

  • ひたすら呟く。
  • ラジオとして番組的に放送する。
  • 作った曲を聴かせる、歌手を募集する、歌詞を書いてもらう。
  • お笑いのネタを披露して反応を伺う、相方を募集する。
  • 地域の情報共有に使う、旅先の空気を伝える。
  • グルメレビューを食べながら行う、おすすめの店舗紹介をする。
  • 展覧会の様子を伝える(撮影等可能の場合)。
  • 公開日記、日々の夢日記
  • 自社の宣伝、自分の売り込み


この他にも、あなたの思いつく限り、面白いアイデアで素晴らしい番組を作ってみて下さい!


さて、ではメリットは何だろう。

まず僕の思う所の、このシステムのコンセプトから考えたい。
個人的には、一つの場所で大勢の人間が世界各地から呟きを番組化して配信する事によって、その人数が多ければ多いほど、ほぼ途切れる事無く番組は更新されていき、ラジオに近い、ほぼリアルタイムな情報を流し続けられるのでは?と思っている。

次に、番組の配信というのは通常その専用サイトを立ち上げ、番組として成り立たせる為には様々な知識と時間と労力を要する訳だが、この仕組みを使う事によって、そもそもTwitterという曖昧な?ルールの元にある番組であるからして、しっかりとした番組である必要性も無くなる。
よって、そこにプレッシャーを感じる必要は無いし、だからといって、きっちり番組らしい番組であっても良いという自由さがある。

更に、僕個人としてはここに一番魅力を感じている訳だが、普段PodcastなりFMラジオなりで活躍している方々が、こういった同じ状況化で番組を作る事によって普段の番組では見れない姿が見れるのでは、という事と、その方々の日常も番組外で聴けるという裏番組的レアさがあると感じている。

そしてそれはラジオパーソナリティに留まらず、Twitterの特色上有名人、芸能人の方々もblogよりも気軽に発言したりコメントを返している状況からすると、彼らもまた、同じように参加する事によって、ファンからすると彼らの日常を音声で聴けるというのは、これ以上無い喜びであろう。
彼らにもプロモーションの一環としての可能性はあるだろうし、こういった一風変わった動きに参加するという事が一目置かれる所では無かろうか?(事務所の縛り等で動けない可能性は多いにあるが)



今の時点で思いつく限りの考えを述べたが、続いてデメリットを考えてみたいと思う。

まずは何と比べて劣っているのか?という事から考えると、比較対象はTwitter自身とPodcastで依存は無い筈である。

ではTwitterとは何なのか?
これは恐らく、使い方は人それぞれではないだろうか?
RSSリーダー的に使う人、局所的に情報収集する人、ひたすら呟き続ける人、チャットとして利用する人、プロモーションの一環として利用する人等々、ルールは無く、「呟け」という漠然としたテーマが掲げられているだけであり、その為何の必要性があるのかを見出せないで止める人、自分なりのスタイルを確立し、もはや生きていく為には欠かせないツールとなりつつある人がいる訳だ。
そう考えると、Tweetcastもその利用方法の中の一つでしかなく、Tweetcast自体も、「音声で何か呟け」という漠然としたテーマしか無い。
つまり、それを必要とするかしないかは人それぞれだし、面白そうだ、やってみたい、という人がやれば良いだけの話である。
単純に同じ呟きだ、と考えるとすると文章で呟いた方が時間的には早い訳だから、その部分で劣っていると考えても良いだろう。

次に、Podcastとの比較をしてみよう。
Podcastの良い所は?
それはやはり、無料で制作可能で(機材や音源等、手元にあるもので補えるとするならば)電波を気にせず、どこでも何時でも欲しい番組だけが聴ける所にあるだろう。
制作者側の観点からすると、企画捻出、演出の効果、時間配分等、より番組らしい番組にする為には様々な労力を要する訳だが、その代わり音質や番組の演出にはこだわれる。
その点Tweetcastは、現時点ではTweetMicを使用するのがセオリーであり、音質にも縛りがある。
また、リスナーの側からすると、Tweetcastはそのトラフィック量さえ多ければ、ほかのどんなPodcast番組よりも配信回数は多くなるだろう。
しかし、本当に聴きたい人の番組だけを選んでダウンロードするというのは難しいし、何よりも番組としては長さが欲しくなるだろう。
ただ、それについて言えば、PodcastPodcastであり、Tweetcastもまた然りな訳であって、上記に述べたように、Podcastの裏番組としても楽しめるだろうし、普段Podcastを配信しない方にとっても仲間内に聴かせたり、何よりも自分の声が世界中に流れるというのは恥ずかしくもあり、それ以上に楽しい筈だ。
楽しくなかったら止めれば良いだけの話で、週に何度更新しなければいけない、という縛りも無い。


僕個人の考えを述べさせてもらうと、自由というのはかなり危険な事だと思っている。
それはネットの世界に留まらず、現実世界でも同じ事が言える。
ルールや法律で固められた社会では、邪魔に感じたり、バカらしく思う事は多々あるが、そうでなければ物事が成り立ちにくいからこそ、我々は歴史上の統計とでも言うべき『常識』とやらに翻弄されている。
例えば今回のシステムにしても、危険な事は山ほどある。
放送内容に著作権を侵害する様な内容で放送されていたり、誰かを誹謗、中傷するような内容であったり、URLを偽装してクリックジャッキング的な事をしたり、RSSの取得したmp3ファイルに偽装工作が施されていたり。
考えれば考えるほどそんなものが出てくる時代にある。
だけど、新しい仕組みで何か面白い事をやろうとしている人々が折角集まっても、彼らのアイデアの生きる仕組みでなければ意味が無いし、面白くもない。
当然これから様々な課題に直面するだろうが、出来るならば悲しい事がおこらない事を願いたい。
僕は人間は生まれながらにして性悪説だと考えるが、時代が進むごとに、国同士、人同士協力していかなければやっていけないこんな世の中に、せめて気軽に楽しめる場所を、純粋に楽しみたいと思う。


最後にこのTweetcastの仕組みについて。

Tweetcastという言葉自体は、Twitterのタイムライン上に音声を乗せる行為を意味するが、今回のtweet_junkyのシステムは日本独自のTwitterサービス、Twiccoを利用したものであり、Tweetcastの方法としては是に限らない筈である。
つまりTwiccoというフィルターを通して、@tweet_junky宛の発言をTwicco側が擬似的にTweet_junkyに発言させているのだ。
つまり、同じ仕組みを作れば誰でもこのシステムは簡単に構築出来る訳だ。


他にもメリットやデメリット、紹介したい使用例などありましたら、コメント欄やトラックバックでお送り下さい。
日々の暮らしに少しでも活気の増すサービスになる事を願います。


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